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省エネリフォームの融資制度創設

住宅金融支援機構の新制度

前の記事で紹介した、省エネ関連の法改正に合わせて、住宅金融支援機構法を改正しました。

こちらの背景をまとめ、所得税減税との関係を考察します。

骨太の方針

令和3年11月に新しい資本主義実現会議から、緊急提言がまとめられました。
まず、この『新しい資本主義実現会議』とは何でしょうか。

内閣府のサイトには、
「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとした新しい資本主義を実現していくため、内閣に、新しい資本主義実現本部を設置しました。
 新しい資本主義の実現に向けたビジョンを示し、その具体化を進めるため、新しい資本主義実現会議を開催しています。
とあります。

これまでの政府の『成長戦略会議』に代わるものとして2021年10月に設置され、その後継続して検討された方針は、『新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画』として6月7日に閣議決定されています。

ところで、リフォーム融資の話はなかなかこの計画からは見つけられないのですが、11月8日の緊急提言の中に、下記の内容が示されています。



これを受けて、住宅金融支援機構は、省エネのリフォームについて融資を行う新制度の検討に入ったというわけであり、住宅金融支援機構法の改正につながったのです。



まだ、制度の中身が見えていませんが、新築の基準を厳しくするということだけでなく、既存住宅のストックについても省エネ化が進んでいかないと、二酸化炭素の排出削減目標は到底実現できないだろうとして、借金をしてでも省エネリフォームに誘導したいという意図が感じられます。

 

そして、投資型の所得税減税について、窓を中心とした断熱リフォームは、お伝えしておりますとおり、令和4年の改正により、全ての居室の全ての窓という条件が撤廃されました。

 

省エネ地域区分ごとに一定の省エネ性能が求められますが、それほど厳しいものではありません。

50万円以上の内窓の設置を中心とした工事をこの新しい借り入れによって実施し、所得税と固定資産税の減免を受けるというのが、おすすめのコースです。

 

また、もし資金的に余裕があるということでしたら、借り入れをせずに今すぐ省エネリフォームを実施し、「こどもみらい」とのセットで減免を受けるというのが、より効果的なパターンとなります。

 

こういった断熱工事は、それほど経年劣化を心配することも無いでしょう。

これからの限られた人生を、快適な環境でできるだけ長く享受するため、思い立ったら、早めに工事をしてしまうのが良いのではないでしょうか。

 

まだ制度の概要すら見えてない状況ですが、省エネリフォームのみしか融資の対象としないなんて、そんな使いにくい仕組みにはしないでほしいですね。


あとは、既存の銀行によるリフォームローンとどのような補完関係とするのか、そちらを駆逐してしまうのもいかがなものかと思います。


せっかく新たに作るのですから、役に立つ制度を期待したいです。