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制度改正によるローン控除への影響

ローン控除の恩恵低下

これまでしばらくの間、住宅ローン控除といえば、年末のローン残高の1%というのが決まり文句でした。
それがこのたび、控除率を0.7%に引き下げることとなりました。

そのほかに、算定限度額や控除期間などの差異が設けられていますが、リフォームのローン控除適用の場合は、ほぼ10年2,000万円となるでしょう。

それ以外の例はこちら

実際にどの程度の影響があるのか、下記の表で試算してみました。

仮に1,000万円規模のリフォーム(金利2.5%、15年)で借り入れをすると、およそ67万円ほどだった控除額が、47万円へと、20万円分も減額しています。

当然のことながら、この控除率引き下げは、マイナスのインパクトをもたらします。

新しい投資型の評価

一方で、投資型とされていた一か年のみの控除の制度は、対象工事以外も参入できることとなり、これまで20万円規模であった最大控除額が、一気に60万円程度までアップしました。

この結果、これまでは10年以上のローンを組んでいる時は、ローン控除を選択していれば間違いなかったのですが、今年からは、場合によっては投資型を選んだ方が有利という可能性が、多少なりとも高くなってきたのです。


住宅ローン控除型のメリット

それでもなお残る住宅ローン控除型の優位性は、投資型のような性能向上を考えなくても良いというところにあります。

第1号工事である大規模な修繕・模様替もそうですが、むしろ使いやすいのは第2号工事と第3号工事です。

要するに床や壁の仕上げを変える工事があれば、その部屋の工事を一緒くたに対象とすることができますから、フルリノベの内装は、全てこのタイプで算入します。

 

このような内装関連の大工事はそれなりのニーズがあり、ローン減税を期待して、資金的な余裕があってもわざわざ10年の借り入れをするという方がいらっしゃったのではと思います。


資金的余裕がある場合の選択は?

しかし、先述のように今年からローン控除の控除率が下がったので、金利(試算例では200万円!)や手数料を考えると、よりそのような選択は意味の無いものとなり、それよりも『借り入れ』や『その期間を10年とすること』にこだわらず、性能重視のリフォームを工事内容に含ませるのが、減税を受けるうえで重要なポイントになりました。


もちろん、性能向上リフォームには興味が無いという方が、大規模な内装のリフォームをした場合は、減税制度はローン控除しか選択肢がありませんから、10年以上の借り入れをしていれば減税を受けられますが、たかだか100万円に満たない程度の減税である可能性が高いです。


もし資金的余裕があって借り入れをしなくて済むならば、金利面だけで判断しても、そんな制度に見向きもしないのが得策です。